そもそもからはじめよう

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この3週間、風邪から来た声帯の炎症で声が出なかったが、やっとこ持ち直し気味なのか、ちょっとだけ声が出るようになってきた。

昨日は「しこふむ」講習第三回目で、これまでの講師がズラリと並んだ講習会から、僕と夜明茶屋の金子さんの二人による講習ということで、さすがに声が全く出ないのはありえんな、、と思っていたのでマイクを使わせてもらっての聞き苦しい二時間だったかもしれないが、なんとか進めることができよかった。

「しこふむ」を始め、講習に参加されている人たちは「自分の売りたいと思っている自慢の商品を持ち寄り磨いていく」と思ってやってくるのだが、僕がいつも問いかけるのは、もっともっと手前の部分。

「そもそもあなたの目的はなんなんですか?その目的を叶えるために作るのは今の商品でいいんですか?いや、そもそもその目的を叶えるための方法は、商品を作ることなんですか?」という事。

「自分の商品を持って行ったら今より売れるようにしてくれるっちゃないかいな?」

と思ってきてくださった人にとっては「は?」と言いたくなるような問いかけかもしれない。


また、特に地域で商品を作っている方で多い「地元の食材を使い、手作りで、安心安全な商品を作っている」ということをウリにした商品についても「それって本当に商品のウリになってるんですか?」とも問いかける(感じ悪くてすみません、、)。

地元の食材とか安心安全とか手作りっていうのは、とても素晴らしい(正しい)事だとおもうが、それだけで商品が売れるための大きな魅力になるんだろうか?

お客さんは「正しい商品」を買わなければいけないわけではない。お客さんは「欲しいと思う商品」を買う。

全国と言わず、そこらにある道の駅を見ても「正しい商品」はたくさんある。おまけに同じエリアの道の駅とか直売所には同じ土地で取れる同じ原料を使った同じような商品がならんでいる。

たとえば大川の道の駅に行けば「大川産あまおうを使った手作りジャム」が間違いなくたくさん並んでいるように。

そのどれもが地元の食材を使い、手作りで作った安心安全の正しい商品ばかりだ。

そんな中では「地元の食材を使い、手作りで作った安心安全の正しい商品」というだけでは差別化ができない。

商品は売れてこそ商品。

他の商品よりも魅力的で「買ってみよう!」と思ってもらえる商品を作らないといけない。

僕は今回たまたま講師という立場で参加しているが、参加者の皆さんにも言ったが、決して景気が良いとはいえない地方の中で、同じ中小事業者(僕の会社より大きいところもたくさんあるけどw)として「どうやって生活をなりたたせればいいのか」を真剣に考えると、別にデザインがすばらしいとか、おいしいとか、賞を取ったとか褒められるよりも「商品を買ってほしい」というのが一番の願いだし、それを一緒に考えていきたいと思うと、やっぱり他のライバル商品よりも魅力的ななにかを足してあげなきゃいけないし、それは「地元の素材を使い、手作りで安心安全の商品」ということ、それ以上の何かが必要なんじゃないですか?と気分を害してしまう人もいるかもしれないが、僕はそう言うしかないのだ。

パッケージを変える。
ネーミングを変える。
量を変える。
価格を変える、、、、

そんな方法もあるかもしれない。

もしくは同じ素材を使っても、全然別の商品をつくるという選択もあるかもしれない。

そもそもの目的が「ジャムを作りたい」というなら「ジャム」というくくりの中でどうするかを考えることになるが、そうではなく「いちごを使ってなにかつくりたい」であればいちごを使った別の魅力的な商品を考えればいい。

そうでもなく、「なにか売れる商品をつくりたい」というのであれば、ジャムにこだわらず、いちごにこだわらず、魅力的な商品を考えればいい。

「魅力的な商品ってなんですか?」と言われるかもしれないが、それは個々に違ってくるので、具体的にこんな商品だなんてことはいえないが、ぼくが思う条件の一つは「作った自分自らが買いたい商品」というのがまず基本。「そんなんあたりまえやん」と思うだろうが、これ言うと意外に皆さん顔を曇らせるw。

どこの道の駅に行っても沢山のジャムが売っているけど、じゃあ、それ作ってるおばちゃんたちは沢山ジャム食べてるんですか?どこかに旅行に行ったら道の駅で絶対ジャムを買っちゃうくらい好きですか?

多分ほどんどの人が「うちは朝はご飯やけんジャムは食べんね」という。

売ってる時は「美味しくて、パンに塗ってもいいし、ヨーグルトにかけてもおいしかよ」と言いながら、「おばちゃんはヨーグルトにかけてたべようと?」と聞くと「私はヨーグルトはたべんけんね」という人の多い事!

「作る側の都合で作った商品は売れない」。これは地方の商品であろうと大手の商品であろうと同じことが言える。

今回の講習でも、予想した通り当初「は?」という反応が多かったが、約二時間の講習の取材に入っていた民放TV局の方が、終わった後に「座学なのにだれも眠そうにしてなくて、時々声を出して笑ったり頷いたりと皆さん楽しそうにされてましたねえ」とおしゃってくれたので、まあそれなりに聞いてくれている方もいたということか。

これから残り8回の講習が参加者の方々が自らの商品や商売を見つめ直し、向かっていくべき方向に進みだすきっかけとなってくれればと思う。

そもそもからはじめよう。
by nocorita | 2014-06-20 14:20 | 食品 | Comments(2)
Commented by momo at 2014-06-22 12:58 x
いつも楽しく拝見しております。

今回の内容、非常に示唆に富むものでした。

いつしか「ものづくり」という言葉が独り歩きして、日本中がその呪縛かかっている状態の中で、非常シンプルに核心を衝いた指摘であると思います。

Commented by nocorita at 2014-06-23 23:17
>momoさま
コメントありがとうございます。なんか「偉そうな事」は普段書きたくないとおもっているのですが、ものづくりに関わるようになってから、特に生産者の方々の加工品とかをやればやるほど頭の中にずっとある思いです。まあなかなか難しいことですし、生産者の方の思いの中には単に商品を売って利益をえるということだけでなく、手塩にかけて育ててきた野菜や果物を出荷できないとはいえ捨てるのが悲しくて、無駄にならないように加工したいというのもあるんで、単に売れる売れないのはなしではないというのはあるんで、単純に「そんなん差別化できないし売れないしやめましょうよ」とも言えないというのが現実というのはわかってるんですがね。


2009年春に能古島へ引っ越した僕らの仕事や生活の事


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